寸秒夢 八十三 [寸秒夢]
心に棲む悪魔の固執
昨日のうざい暑さにうんざりし
今日の涼しさに安堵して
こころは穏やかな流れのよう
曇り空ではあるが思いっきり息を吸う
今宵は真っ赤なトマトで酒を呑もう
包丁を入れること 身 軽やか
熟れすぎたお前を何故か羨む
口に含んだ酒といっしょにお前を喰む
ああ 美味なり
六畳一間の目の前にある四角い箱が
突如 哀しい詩を詠い出す
「・・・ 暗天というキャンバスに
一輪の花も咲かずして
ここに愛なく終焉せり・・・」
中学時代の国語の教科書を思い出す
「 ヴィ 」 は生命
夜空に舞う一瞬にして消える花火
そんな美しい花火を・・・生命を・・・
あなたたちはもはや失ったか
日本という学校のいじめが始まったか
私たち組はそれでも息をしている
切除か削除か排除か排斥か・・・
リセットボタンを押してしまうのか
清廉潔白なあなたたちよ
シーベルト過剰反応主義者よ
未知なる宇宙の渚を御覧あれ・・・
雨も次第に涙の如く強くなり
秋の気配は一段と早くなり
酒とトマトはちじこまり
明日の夢さえしおれた風船の如く
ああ 哀しや哀し
阿多多羅の上の澄んだ秋空が
私たちのこころにはいつも住んでいる
美しいものほどはかなく壊れやすいものだ
既存の単位などではとうていはかれないものだ
・・・・・あなたたちに
智恵子の本当の空を見てほしい・・・・・
2011.09.19
四角い箱が・・・ : テレビのニュース
ヴィ : フランス語 vie 生命の意
昨日のうざい暑さにうんざりし
今日の涼しさに安堵して
こころは穏やかな流れのよう
曇り空ではあるが思いっきり息を吸う
今宵は真っ赤なトマトで酒を呑もう
包丁を入れること 身 軽やか
熟れすぎたお前を何故か羨む
口に含んだ酒といっしょにお前を喰む
ああ 美味なり
六畳一間の目の前にある四角い箱が
突如 哀しい詩を詠い出す
「・・・ 暗天というキャンバスに
一輪の花も咲かずして
ここに愛なく終焉せり・・・」
中学時代の国語の教科書を思い出す
「 ヴィ 」 は生命
夜空に舞う一瞬にして消える花火
そんな美しい花火を・・・生命を・・・
あなたたちはもはや失ったか
日本という学校のいじめが始まったか
私たち組はそれでも息をしている
切除か削除か排除か排斥か・・・
リセットボタンを押してしまうのか
清廉潔白なあなたたちよ
シーベルト過剰反応主義者よ
未知なる宇宙の渚を御覧あれ・・・
雨も次第に涙の如く強くなり
秋の気配は一段と早くなり
酒とトマトはちじこまり
明日の夢さえしおれた風船の如く
ああ 哀しや哀し
阿多多羅の上の澄んだ秋空が
私たちのこころにはいつも住んでいる
美しいものほどはかなく壊れやすいものだ
既存の単位などではとうていはかれないものだ
・・・・・あなたたちに
智恵子の本当の空を見てほしい・・・・・
2011.09.19
四角い箱が・・・ : テレビのニュース
ヴィ : フランス語 vie 生命の意
寸秒夢 八十二 [寸秒夢]
空蝉の固執
あなたに添うた私は
いつもどおりの空蝉
あなたの照り返しを受け留めながら
腹の底から純潔になってゆくのです
そんな・・・そんな・・・夢を見ました
夏はもう終わりですね
涼しげに笑むあなたの目尻
この夏の日のひとかけらは 秋へと進むのでしょうか
黄金のススキが迎えに来たら 紺碧の空とはお別れですね
八日目の蝉へとはなりたくはないから
このまま そっと
Leave my loneliness unbroken!
私の背割れが少し気にかかりますか
もしそう感じとってくれたなら・・・・・
ここから美しい私が始まるのです
あなたを包むような世界が広がるのです
今度はあなたがこの中に夢を見ましょう
でも もう うろこ雲がウインクしています
このまま そっと
Leave my loneliness unbroken!
あなたに添うた私は
いつもどおりの空蝉
あなたの照り返しを受け留めながら
腹の底から純潔になってゆくのです
そんな・・・そんな・・・夢を見ました
夏はもう終わりですね
涼しげに笑むあなたの目尻
この夏の日のひとかけらは 秋へと進むのでしょうか
黄金のススキが迎えに来たら 紺碧の空とはお別れですね
八日目の蝉へとはなりたくはないから
このまま そっと
Leave my loneliness unbroken!
私の背割れが少し気にかかりますか
もしそう感じとってくれたなら・・・・・
ここから美しい私が始まるのです
あなたを包むような世界が広がるのです
今度はあなたがこの中に夢を見ましょう
でも もう うろこ雲がウインクしています
このまま そっと
Leave my loneliness unbroken!
寸秒夢 八十一 [寸秒夢]
池から誕生した繭の固執
和的民芸の童女よ
たとえば遠野に住まう
自然と同化した中性化よ
もういくつになったのだ
時間などとっくに風化しています
どこで生まれたのだ
気がつけばここにおります
男なく女なく
・・・・・そう見えたらそれでもいいです
私は見るもので変化する
そんな浮遊体のようなもの
あなたの強固な欲望で生まれ
発熱し増長し益々美しくなってゆく
晴れることなくいつも靄がかりの
池の波紋の真ん中の
瞼の裏のまばたきの
刹那の暗がりの中
ああ愛しき我が人よ
もう殻を破って出ておいで
かなのような鼻
カタカナのような唇
漢字のような瞳
その緑の黒髪をこの真っ白なこの手で梳いてあげよう
和的民芸の童女よ
たとえば遠野に住まう
自然と同化した中性化よ
もういくつになったのだ
時間などとっくに風化しています
どこで生まれたのだ
気がつけばここにおります
男なく女なく
・・・・・そう見えたらそれでもいいです
私は見るもので変化する
そんな浮遊体のようなもの
あなたの強固な欲望で生まれ
発熱し増長し益々美しくなってゆく
晴れることなくいつも靄がかりの
池の波紋の真ん中の
瞼の裏のまばたきの
刹那の暗がりの中
ああ愛しき我が人よ
もう殻を破って出ておいで
かなのような鼻
カタカナのような唇
漢字のような瞳
その緑の黒髪をこの真っ白なこの手で梳いてあげよう
寸秒夢 八十 [寸秒夢]
桧原湖の無人島の固執
静かすぎる夏
東京から持ち帰ってきた心根を
まだリボンもとかずプレゼントのようなラッピングそのまま
もどり梅雨のいやに寒い居間の窓際に置いて
やてもたってもいられず台所を行ったり来たり
冷凍したジョッキグラスをだし
プリンタイ85%offのビールを注ぎ
切れてるチーズを小皿にのっけ
はては晩飯の用意の炊飯ジャーのスイッチまで押して
準備万端ここまでしておいても
今までの古い自分を解き放つ勇気さえでてこず
ああひとり暮らしかなしや
ひとり身の静かすぎる夏のあいまよ
静かすぎる夏
東京から持ち帰ってきた心根を
まだリボンもとかずプレゼントのようなラッピングそのまま
もどり梅雨のいやに寒い居間の窓際に置いて
やてもたってもいられず台所を行ったり来たり
冷凍したジョッキグラスをだし
プリンタイ85%offのビールを注ぎ
切れてるチーズを小皿にのっけ
はては晩飯の用意の炊飯ジャーのスイッチまで押して
準備万端ここまでしておいても
今までの古い自分を解き放つ勇気さえでてこず
ああひとり暮らしかなしや
ひとり身の静かすぎる夏のあいまよ
寸秒夢 七十九 [寸秒夢]
僕は2階のベランダからひとり、東の空で真っ赤になった入道雲を見ていた。
真夏の白いもこもこ入道雲はよく見かけるけど、今日の夕方は何か違う。
僕の眼はずうっとズームインしたまま一点を離れなかった。
赤い入道雲に何を見ていたのだろう。
幼い頃の思い出か、今の在り様の自分か、見えない未来か・・・。
暖かいはずの赤色がいやに心に突き刺さる。
次第に色を失ってゆく周りの風景の中に、
すうっといつの間にか吸い込まれていったようだ。
中は羽毛布団のように暖かく、そして逆光色のピンクだ。
僕は右手の親指をしゃぶりながらピンク色の空を眺めていた。
つかの間の安堵感でもいい、辛いひと時を忘れさせてくれただけでもいい、
そんな君に、そんなあなたに、・・・・・乾杯だ・・・・・。
2011.6.15.真っ赤な入道雲の固執
真夏の白いもこもこ入道雲はよく見かけるけど、今日の夕方は何か違う。
僕の眼はずうっとズームインしたまま一点を離れなかった。
赤い入道雲に何を見ていたのだろう。
幼い頃の思い出か、今の在り様の自分か、見えない未来か・・・。
暖かいはずの赤色がいやに心に突き刺さる。
次第に色を失ってゆく周りの風景の中に、
すうっといつの間にか吸い込まれていったようだ。
中は羽毛布団のように暖かく、そして逆光色のピンクだ。
僕は右手の親指をしゃぶりながらピンク色の空を眺めていた。
つかの間の安堵感でもいい、辛いひと時を忘れさせてくれただけでもいい、
そんな君に、そんなあなたに、・・・・・乾杯だ・・・・・。
2011.6.15.真っ赤な入道雲の固執
寸秒夢 七十八 [寸秒夢]
雨にうたれた春女菀の固執
春女菀 手折りて
ぽっかりと円い穴
我を見て
うっすらと笑うなり
淡紅色のかわいい花たちよ
いくら綺麗に咲けども
我と同じなり
本来は孤独な一本の悲哀なり
春女菀 : はるじょおん
茎を折ってみると姫女菀と違って中空です
手折りて : たお・りて
春女菀 手折りて
ぽっかりと円い穴
我を見て
うっすらと笑うなり
淡紅色のかわいい花たちよ
いくら綺麗に咲けども
我と同じなり
本来は孤独な一本の悲哀なり
春女菀 : はるじょおん
茎を折ってみると姫女菀と違って中空です
手折りて : たお・りて
寸秒夢 七十七 [寸秒夢]
白い春女菀の固執
そよぐ風 足元に
春女菀 白く
流れ流れ 頭横に流れ
円やかにまとわりつく
何を想って
上り上り 生きた蔓のように
私の胸の奥の奥まで
巻きつけてしまう
何か感じるんだ
君の不器用な愛情を
ほんとに下手くそな君の愛情を
風の意のままな春女菀・・・・・
そよぐ風 足元に
春女菀 白く
流れ流れ 頭横に流れ
円やかにまとわりつく
何を想って
上り上り 生きた蔓のように
私の胸の奥の奥まで
巻きつけてしまう
何か感じるんだ
君の不器用な愛情を
ほんとに下手くそな君の愛情を
風の意のままな春女菀・・・・・
寸秒夢 七十六 [寸秒夢]
独り自宅で酒を呑んでいたら、頭の中に突如いろんな言葉が溢れてきた。
いつもの大学ノートに思いつくまま書き留めた。
それを数日あたためて書き加えた。
でもいまいちだが、まあいいだろう・・・・・。
老木と新緑との固執
ああ 本然なる君が姿
いづからか この想い
隠すに隠せず
毎日毎晩が過ぎゆく
何に かこつけてか 伝えよう
今 芽吹きの頃なれば
我 新芽の心になりて
柔らかくソフトに
そよ風と共に 君に囁き
軽やかにリズミカルに
小川のせせらぎの如く 君に歌おう
幼き頃から同じ空を見つめてきた君は
そのままを背負い 自らを青空に委ねたる
生きるという幸せに疎い君を支えよう
君 貝の如く黙し・・・・・そこに在り
我 只 君を見つめるなり
出逢いという神の偶然に感謝するのみなり
今宵もまた君とふたり 酒をかわし
酔うもよし 酔わぬもよし
気づかいすることなく 自然たれ
あわよくば人生の伴侶とか思いしか
我老いたれば 君若くして美貌なり
叶うこともなければ 只 また 独り酔うなり
只 酔うに酔って 酒の中に我を隠すなり
酒とは悲哀なり 幸せ以上の君の悲哀なり
阿多多羅のもとに生まれ 阿多多羅のもとに育ち
我の前に在りし君の心情こそ
青く青く空の青の中に吸い込まれし
智恵子の如き本然の純一なり
いつもの大学ノートに思いつくまま書き留めた。
それを数日あたためて書き加えた。
でもいまいちだが、まあいいだろう・・・・・。
老木と新緑との固執
ああ 本然なる君が姿
いづからか この想い
隠すに隠せず
毎日毎晩が過ぎゆく
何に かこつけてか 伝えよう
今 芽吹きの頃なれば
我 新芽の心になりて
柔らかくソフトに
そよ風と共に 君に囁き
軽やかにリズミカルに
小川のせせらぎの如く 君に歌おう
幼き頃から同じ空を見つめてきた君は
そのままを背負い 自らを青空に委ねたる
生きるという幸せに疎い君を支えよう
君 貝の如く黙し・・・・・そこに在り
我 只 君を見つめるなり
出逢いという神の偶然に感謝するのみなり
今宵もまた君とふたり 酒をかわし
酔うもよし 酔わぬもよし
気づかいすることなく 自然たれ
あわよくば人生の伴侶とか思いしか
我老いたれば 君若くして美貌なり
叶うこともなければ 只 また 独り酔うなり
只 酔うに酔って 酒の中に我を隠すなり
酒とは悲哀なり 幸せ以上の君の悲哀なり
阿多多羅のもとに生まれ 阿多多羅のもとに育ち
我の前に在りし君の心情こそ
青く青く空の青の中に吸い込まれし
智恵子の如き本然の純一なり
寸秒夢 七十五 [寸秒夢]
姫踊子草に貪食される水仙の固執
いけない いけない
あどけない子らの瞳を汚してはいけない
今 瞳に映っているのは 20という偽りの数字
大人より3倍も感じやすい子らを・・・・・
このままでいいのか
ICRPの1msv/yに
外は花曇り
ああ いずれ泣桜
舞い上がる砂塵 いや 死塵
原発は 教育を奪い
原発は 校庭も奪い
原発は ゾウさんのすべり台のある砂場まで
奪ってしまった
窓越しに張りついた
瞳・・・瞳・・・瞳・・・瞳・・・
子らはただただ園庭を見る
未来が見えない瞳で泣いているのが見える
何も知らないことが幸福なのか
鬱憤と不満が渦を巻き 巨大な怪獣となる
我が内なる心獣よ
吠えよ 炎を吐け
今 目覚めよ
いけない いけない
あどけない子らの瞳を汚してはいけない
今 瞳に映っているのは 20という偽りの数字
大人より3倍も感じやすい子らを・・・・・
このままでいいのか
ICRPの1msv/yに
外は花曇り
ああ いずれ泣桜
舞い上がる砂塵 いや 死塵
原発は 教育を奪い
原発は 校庭も奪い
原発は ゾウさんのすべり台のある砂場まで
奪ってしまった
窓越しに張りついた
瞳・・・瞳・・・瞳・・・瞳・・・
子らはただただ園庭を見る
未来が見えない瞳で泣いているのが見える
何も知らないことが幸福なのか
鬱憤と不満が渦を巻き 巨大な怪獣となる
我が内なる心獣よ
吠えよ 炎を吐け
今 目覚めよ